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金沢八景は、横浜市の東南部、三浦半島の付け根の部分に位置し、かつては風光明媚な地として知られていました。江戸時代は米倉氏の金沢藩が置かれ、東海道 を旅する人や大山詣帰りの人が物見遊山に訪れています。金沢八景を描こうとした絵師が、あまりの美しさに己の力量に絶望し、絵筆を捨てて立ち去った、とい う伝説の「筆捨て松」が戦前まで能見堂に残っていたようです。そして、この金沢八景を見事に描いた絵師が歌川広重です。広重は東海道五十三次などでも有名 ですが、この金沢八景の八枚の連作が広重の風景画家としての名声を高めたと言われています。
「武陽金沢八景略図」【歌川広重画・多気斎原図／金龍院版】（金沢文庫特別展図録 金沢八景収録）
平潟落雁
乙艫帰帆
洲崎晴嵐
野島夕照
小泉夜雨
称名晩鐘
瀬戸秋月
内川暮雪
